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なんと言う円安、困ったものだ! [感想]

円安は困ったものだ
 eBayで欲しい模型エンジンを落札してコレクションを充実させて来た。
 その昔は70円/㌦という、史上最高の円高のころは、カメラのコレクションに熱を入れていたので、海外に行くたびにドイツのカメラを熱心に買い集めていた。
 模型エンジンのコレクションに熱を入れていたころは、だいたい100円/㌦だったので、eBayで落札してもまあまあリーズナブルな価格だった。
 ところが、最近は121円/㌦を超える円安で、eBayの落札額をドルで見ては円に換算して、呆れている。
それでコレクションはどうなった?
 私にとって幸いだったのは、100円/㌦の頃に、各社のHalf Aエンジンをほとんど集めてしまっていたことである。
 もっともお気に入りのHolland Hornet .049/.051エンジンに関しては、そのすべてのモデルがすでに集まった。現在では、重複したモデルも含めて手許に19台ある。
今後どうするの?
 欲しいエンジンは今でもいくつもあるが、かつての2割高のお金を払ってまでは購入しようとは思わなくなった。そう思い切ると心は平安で、皆さんがどんどんセリ上げる様子を楽しんで見ている。
 そして、かねてより手をつけている「ホーランド・ホーネット・エンジン物語」の完成に向けて力を入れようと考えている。(A5判170頁の別の本が今月初めに完成したので、こんどはこちらに注力しよう。)

 また、言い訳染みたことを書いてしまった。ただ、難しいのはエンジンの写真撮影。
 Nikon D300と、少々古いがMicro Nikkor Auto 55mm F3.5を用意しているのだが、どんな置き方で、どんな照明方法で、影が出ないように撮影したら良いのか、うれしい悩みを悩んでいるところである。

ご無沙汰していましたが、2014年も今日で終わり! [お詫び]

お詫びと言い訳
 11月にもうひとつのコレクション、カメラについて書いてお茶を濁した後、ご無沙汰を続けて来ました。申し訳ありませんでした。
 今年は2冊の本を同時進行で書いていたため、なかなか時間が取れないまま、時間が経ってしまいました。Holland Hornetエンジンの本についてはこれまで何度か書いて来ましたが、他の1冊は、1968年(昭和43年)に18日間のドイツ演奏旅行を行った記録で、来る3月に完成予定です。

模型エンジンに対する心境の変化
 さて、今年最後の記事は、Coxエンジンについてです。
 中学校時代からスマートで軽量なCoxエンジンが好きで、最初に入手したのがなんとPee Wee 020、次いでなんと2キャブレターのThermal Hopper、そしてTD 049、TD 010の順でした。
CoxPeeWee 020s.jpg
Pee Wee 020

DSC_10961s.jpg
2キャブレターのThermal Hopper

DSC_80251s.jpg
TD 010

それが高じて、その後はモデルを揃えることに注力して、今では、Space Bug 2台、Thermal Hopper 3台、その他数機種、合計20台ほど集まりました。未だ入手出来ていないのは、Space Hopper、Space Bug Jr.、Strato Bug、Medallionなどいろいろありますが、最近はCoxエンジンの収集にはあまり努力していません。その大きな理由は以下のように三つあります。

1.Holland Hornetエンジンが好きになって、収集熱がこちらに移ったこと。(エンジニアらしい几帳面なBob Hollandの魅力に取り付かれてしまった。)
45 HorllandHornet .049 s1.jpg
Horlland Hornet .049

2.Babe Beeに始まる、押し出し材を加工したクランク・ケースを用いた多数のエンジンがあること。機種名が記載されていないので、それを調べる楽しみはあるものの、似たようなエンジンが増えても満足感が沸かないのだ。(下のGolden Beeは高級機種だが、本体のシルエットはごく安価なBabe Beeと大きな違いは無い。)
CocGoldenBee 049s.jpg
Cox Golden Bee 049

3.円安が進んだ結果、割高感があって、入手欲望の強さとの関係から、Coxエンジンを入手する機会がめっきり減ったこと。(かつては90円/ドルが120円/ドルになったのだから応札するのもつらい。)

 収集熱というものは、一旦冷めると熱病から回復したようにぴたっとおさまるものらしい。「Cox熱」が冷めて、ある意味ホッとしているこのごろです。
 ということで、執筆中の「ホーランド・ホーネット物語」は来年夏の完成を目指しています。お楽しみに。
本表紙s.jpg
「ホーランド・ホーネット物語」表紙

本はしがきs.jpg
「ホーランド・ホーネット物語」の「まえがき」

本Bobについてs.jpg
「ホーランド・ホーネット物語」の本文の一部

 それでは、良いお年をお迎えください。
(終)

今回もエンジンではない、カメラです Camera collection, not small engine collection [ご紹介]

エンジンの話はどうなったの? How about the small model engines?
 ごめんなさい、エンジンの話はもうしばらくお待ちのほどを。なにせ、ホーランド・ホーネット・エンジンの本に載せるためにエンジンの写真をたくさん撮らなければならず、忙しさにかまけて延び延びになっている。
 そんなところに、私のもう一つのコレクションであるカメラ、カメラを2台新しく入手したので、今日はそのご紹介。(スミマセン)

何を入手したか? What cameras did I get?.
 私のカメラ好きを知っている人から、懐かしいフィルム・カメラを2台プレゼントされた。
2台3s.jpg
リコーGR1v Ricoh GR1v(左)とドイツ・コダックRetina IIa Deutsch Kodak Retina IIa(右)

 1台は1951年1月に発売されたドイツ・コダックRetina IIa、もう1台は2001年9月に発売された日本のリコーGR1v。(なんと50年の間がある。)

ドイツ・コダックRetina IIa Deutsch Kodak (Kodak A.G.) Retina IIa
 #016との型番が付けられた1951年1月に発売されたモデル。私のコレクションでRetina IIaは2台目、他にRetina IIIc(小文字の"c"が付くので大窓ではない)がある。
Retina IIa 1s.jpg
Retina IIa 2s.jpg
ドイツ・コダックRetina IIa Deutsch Kodak Retina IIa

 戦前から戦後にかけて販売されたRetina IIのフィルムのノブ巻き上げを、いわゆる「レチナ式」のレバー巻き上げにして、ネックストラップ用の金具を付けたのがRetina IIa。私のRetina IIaは、クセノン50mmF2、MX接点付きシンクロコンパー。資料によれば、レンズは前期型はクセノン50mmF2のみ、7月以降生産された後期型はヘリゴン50mmF2付きが追加され、シャッターは前期型X接点付きコンパーラピッド、後期型MX接点付きシンクロコンパーというから、私のモデルは後期型。肝心なところには一切、ガタが無いという程度良好なもの。

リコーGR1v Ricoh GR1v
 独特の設計で、超薄型・軽量で評判になったコンパクト・カメラ リコーR1、それが生まれ変わって、マグネシューム合金のボディに、後にライカ用の単体レンズとして販売されたほど素晴らしい28㎜/1:2(4群7枚構成)のレンズが付いたリコーGR1が1994年に発売され、それを改良して2001年9月にGR1vが発売された。
 もう10年近くも前に、私が高級コンパクト・カメラとは言え、Contax TVSを得意になって使っている横で、知り合いの女性がリコーGR1vで撮っているのを見て、「ヤラレタ」と思ったことがあった。それ以来、1台は欲しいと思っていたカメラだった。
リコーDR1v 1s.jpg
リコーDR1v 2s.jpg
リコーDR1v  Ricoh DR1v

 2001年10月にデート写し込み機能が付いたモデルが1万円高の価格で発売されたが、私のDR1v(元箱、取説付、ただし、専用フードは欠品)にデート写し込み機能は付いてない。(発売当時の定価は98,000円)

好きなことはなんでも宣伝しておくもの
 誰が何を持っているか分からないのだから、コレクターは常に、何に関心があるかを普段から周囲に知らせておくのが良い。
 リコーDR1vに早速、カラー・ネガフィルムを装填した。近く撮影に出かけようと思っている。

ほととぎすの花が満開です [感想]

エンジンの話ではない
  「ホーランド・ホーネット物語」がいよいよ終盤を迎え、コレクションしているホーランド・ホーネットのエンジン10数台の写真を、微に入り細に入り撮影しなければならない時期に至っている。そんなわけで、今回はエンジンの話ではないのが心苦しい。
茶花のほととぎす
 鎌倉に住んでいる頃、近所に茶道の織部流の先生が住んでおられた。毎週土曜日の午前中には茶道を習いに行っていた。大船大仏と切り通しを挟んで反対側の山の上の、桜の老樹20数本に囲まれたお屋敷で、老女と娘さんとの2人住いだった。普段の練習は4畳半の小間だったが、お初釜はお弟子さんが皆集まって、8畳の部屋で行われた。天井には百人一首の絵を描いた正方形の板が全体に貼ってあった。
お庭を歩きながらお聞きしたお話の中に、茶花のほととぎすのことが出てきて、本の中の写真を見せられた。
通勤途中にほととぎすを見つける 
 小田急線で通勤中、健康のために一駅手前で下車して歩いた。その途中に自然そのままの林があり、そこでたくさんのほととぎすを見つけた。数株失敬し、花をお茶の先生にお届けし、根は植木鉢に植えた。以来30数年、わが家のほととぎすは毎年たくさんの花をつけて楽しませてくれる。今年もその季節がやって来た。
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Bob Hollandに魅せられて [感想]

Bob Hollandを知ってから
 中学生時代にアメリカ文化センターの図書室でModel Airplane News誌のEngine ReviewでHolland Hornet .049の記事を見て、そのユニークな形状が記憶に残っていた。小型模型エンジンに強い関心を持った最初のころは、Cox社のThermal Hopper .049のスリムな外観とコンテストでいつも上位を独占する性能に惚れ込んでいたが、Atwood Wasp .049が1/2Aクラスの幕開けのころの最強のエンジンであると知り、たまたま、その設計者がBill Atwoodではなく、Bob Hollandだと知って俄然、Bobに関心を持つようになった。

Bob Hollandのエンジン
 中学生時代からの記憶にあったHolland Hornet .049を入手し、歴史的に調べてみたらナント、Thermal Hopperを初めて破ったのがHolland Hornet .049だということが分かると、彼の関与したエンジンをすべて集めようと考えた。
・ Atwood Wasp .049 / Holland Wasp .049
・ Holland Hornet .049 I / .051 I
DSC_7890s.jpg
Holland Hornet .049 I

・ Holland Hornet .049 II / .051 II
Normal051 II比較用s.jpg
Holland Hornet .051 II

・ Holland Hornet .049 II Modified / .051 II Modified
・ Holland Hornet .051 II Two-Speed
前右前方より2s.jpg
Holland Hornet .051 II Two-Speed

・ Holland Hornet .049 II Variation / .051 II Variation
Holland Hornet .049 Unique Cylinder周囲カットs.jpg
Holland Hornet .049 I のVariation Modelは不可解!(集めていると面白いことが出てくるものだ。ヘッドは普通タイプ)

手許に集まったエンジンたち
 私は各社の小型の模型エンジンを集めて来たが、そのいずれもがBob Hollandのエンジンを集めるための序章だったような気がする。現在では、Atwood Wasp .049 5台、Holland Wasp .049 3台、Holland Hornet エンジンは全種類集まったが、中には同種のエンジンが複数台あるものもあって19台と、結構な数量になった。
 細かな部品の差異を見つけたり、程度の良し悪しなどを比較したり、大いに楽しんでいるところである。前にも書いたが、Holland Hornet エンジンについて現在書いている本の頁数が、日を追うごとに次第に増えていくので、なかなか完了しないのを、ある意味、楽しんでいる。

 Holland Hornet エンジンを探索する旅はまだ当分続きそうである。
(完)

またまた不思議なWasp .049 I got a Strange Wasp .049 again [ご紹介]

これは見逃せない Oh, what a beautiful Wasp!
 小型エンジンのコレクションをHolland Hornetに限定、その全種類も入手できたので、平常心でeBayを眺めることが出来るようになった。たまたま、Holland Wasp .049の美品が出品されているのを見つけたが、なかなか入札者が現れないのでつい、ちょっかいを出して妥当な額で入札したら、競争者が少なく、落札してしまった。

単なる美品? Only beautiful? No, there is a stamp "1" on the crankcase!
 Holland Wasp .049だからクランクケースに"H"の刻印があるのは当然だが、出品者が気が付いていたように、反対側に"1"の刻印もある珍しい個体だった。
DSC08144s.jpg
新しく入手したHolland Wasp .049

DSC08144msH.jpg
Holland Wasp .049の証"H"

DSC08145ms1.jpg
"H"の反対側に"1"の刻印がある("049"の"4"の下に"1"が見える)

 私はすでにHolland Wasp .049を2台持っているが、これらに"H"以外の刻印は無い。一方、Bob Hollandは、WaspをAtwood社から引き継ぐと"H"を刻印したし、その後、Waspの試作品を作るたびにクランクケースに"X"、"Z"、"C"などの文字を刻印したそうだ。有名なのは、Holland Hornet .049/.051を製品化すると、それらのModifiedモデルに"M"の刻印をした。何か新しいことをやると、アルファベットの1文字、もしくは2文字を刻印していたらしい。

刻印"1"の意味は? What does the stamp "1" mean?
 実を言えば、BobはWaspの試作品に"1"の刻印をしたという下のような写真がある。これは、内部に変更を加えた試作品だが、その内容は思い出せない、とBobは言っていた。
ECN15 13s.jpg
Wasp試作品の1台:Bobが"1"と刻印したという写真("049"の"4"の下に"1"がかすかに見える)

Bobは刻印が好きなので・・・ Bob Holland liked to stamp a character on his special engines.
 私のWaspコレクションに新顔が加わって、不明の刻印があるWasp .049は2台になった。
 前から持っている1台にはクランクケースのシャフト側から見て左側に"S"の刻印がある。ただし、"H"の刻印は無い。それは、Atwood Waspか、製造後期には"H"の刻印を止めたというHolland Waspか、まだ不明のままである。
1s部分.jpg
"S"の刻印がある私のWasp .049

スティール製シリンダーの冷却フィンが1枚のWasp .049 Have you ever seen the Wasp .049 which has one cooling fin on its steel cylinder?
 そして、この個体は、以前にもこのブログに書いたことがあるが、世にも珍しいスティール製シリンダーの冷却フィンが1枚というもの。冷却フィンが1枚というWaspはAtwood社時代には無く、Holland社に引き継いだ後も同様に2枚なのだ。ところが、BobのWaspの試作品の写真の中の1枚にスティール製シリンダーの冷却フィンが1枚というものがある。
ECJ11s.jpg
Wasp試作品の1台:スティール製シリンダーの冷却フィンが1枚

希望的願望 I strongly hope that my two Wasp .049 with "S" and "1" stamps to be the prototype model of Wasp .049 made by Bob.
 これらから、刻印が"S"の個体も"1"の個体も、もしもBobの試作品の1台だとすれば、私の大好きなBobの試作品が手許に2台揃ったことになる。本当にそうならこんな嬉しいことは無いのだが・・・

夢だけはどんどん膨らむこの頃である。
(完)

私の憧れたタイプライタ [コーヒーブレイク]

パソコンが無かったころ
 海外へ何度か行って友人が出来ると、その交流には郵便しか無かったころの話である。インターネットやメールはまだ無くて、英文の手紙を書くのに手書きでは大変なので英文タイプライタを欲しいと思った。その時に思いついたのが「ゴルフボール」と似た形状・寸法の印字エレメントを採用したIBM Selectric Typewriterだった。
IBM 82s.jpg
IBM 82 タイプライタ

 従来のタイプライタは、丸断面のゴム・プラテンに紙を巻きつけ、1行印字し終わると用紙を巻きつけたプラテンを左一杯まで手で戻さなければならなかったのに対して、Selectric Typewriterは紙のほうを固定して、印字エレメントが左から右へ印字しながら移動し、改行キーを押すと印字エレメントが自動的に左端へ戻るのだ。
 ところが、これだけ便利なタイプライタが出来たのに、IBMは印字品質を極限まで追求したタイプバー方式のExecutiveタイプライタを、相変わらず販売していた。
IBM Model D200s.jpg
IBM Executiveタイプライタ

 しかし、機械屋としては、ゴルフボール方式のSelectric Typewriterが魅力だった。どんなにキーを早く叩いても、毎秒15.5文字まで追従する。タイプバー方式ではバーが絡まってしまい、そのたびにイライラしてしまった経験がある。
 最初に購入したのは、用紙サイズがA4/Letterという幅の狭いモデルで、「ゴルフボール」の周囲に設けられた文字数は4段で1周22文字なので88文字収容のものだった。次第に欲が出て、次に買ったのは、最大用紙幅13.5インチ(343mm)、最大印字幅13インチ(330mm)で、文字数は4段で1周24文字なので96文字収容した82というモデル。
 Selectric Typewriterでは活字を収容している「ゴルフボール」をワンタッチで交換出来るので、英数字の多くの書体と、カナ数字用のボールにも交換出来る。いろいろな書体のボールを揃えて喜んでいた。ただ、英文の手紙を印字するのには大いに役立った。しかし、そもそもが欧文タイプライタなので、日本文を印字するのにはちょっと使えなかった。

パソコンが出現
 会社でIBM 5550を使用してその便利さに惹かれた。私が初めて購入したパソコンはIBM ThinkPad(B5サイズ)で2000年のことだった。これにインクジェット・プリンタを接続すると、日本文の入力も印刷も自由自在。
 こうなると、かつて使用したタイプライタに出番は無い。前記の2台に加えて、OrivettiやBrotherのタイプバー方式の小型タイプライタも持っている。それらをときどき出しては、素晴らしい機構と外観デザインを眺めて楽しんでいる。

(参考)
http://ja.wikipedia.org/wiki/IBM_Selectric_typewriter
http://www.kogures.com/hitoshi/history/typewriter/

(私の感想)
IBMがタイプライタを作っていたなんて今は知らない人も居ることだろうが、元の社名がInternational Buisiness Machines, Corp.と知れば、何もおかしいことはない。
1911年に「肉切り機」や「肉秤機」を作ることから始まったビジネスが、カードによるホラリス統計機などを作ったあたりからPCS(Punched Card System)の分野に参入、電算機(昔はこう呼ばれていた)で出だしは遅れたが、360シリーズを発表してコンピュータ業界のトップに躍り出た。
また、タイプライタの業界は長い間、世界各国の歴史ある大メーカーがそれぞれシェアを握っていたが、IBMが1961年にSelectric Typewriterを発表すると、Smith Corona Marchant (SCM)、Remington Landなどの名だたるメーカーがあったアメリカを始めとして、一挙に世界中に広まった。1960年代当時、世界中のコンピュータのコンソールに据え付けられた入出力用のプリンタはほぼ、Selectric Typewriterに独占されたと言っても過言では無い。(1980年代に店頭展示品ということで安く買ったが、それでも10万円した。新品価格は知らないが、20万円から30万円はしたのではないか。ところが、内輪の情報では原価は100ドル以下、50ドルに近いのではないか、という話を聞いたことがある。大ベストセラーの製品だったから大量生産した結果、コストは馬鹿みたいに安かったのだろう。)
1960年代に国産の電算機メーカーF社に入社して、そこで私が見た当時の国産最大のコンピュータのコンソールにもSelectric Typewriterがあった。それほどの名機だった。

エンジンをくれる友は最良の友 The best friend for me is one who gives me model engines. [ご紹介]

エンジンをいただいた A friend of mine gave me some model engines
 模型飛行機ではない趣味でたまたま知り合った友人のS氏に会ったら、模型エンジンを、それもCox社のPee Wee .020 R/C、Golden Bee .049 R/C、R/C Bee .049、そして、資料が見つからなかったxxxx Bee .049 R/Cの4台をいただいた。しかも、すべてが私の持っていないモデルだった。そんな夢のような話が現実にあるのだろうか?それがあったのである!!

境さん4台01s.jpg
(左から)Pee Wee .020 R/C, xxxxBee .049 R/C, RC Bee .949, Golden Bee .049 R/C

1台づつ説明しよう。

CoxPeeWee 020s.jpg
Pee Wee .020 R/C
 氏はラジコン飛行機、それも究極の小型機を飛ばそうと努めていたので、持っているエンジンの多くはHalf Aエンジンが多いのだそうだ。もっとも、Cox社のTD .010 というさらに小さなエンジンは持っていないそうだ。(私は1台持っている。)雑誌の記事でTD .010 を搭載した機体を見たことがあるが、翼が大きく、まるで室内機のような形状だった。このような機体を屋外で飛行させるには、朝夕の無風状態の時を選ばなければならないので、少々性格が違ってくる。その意味で、.020 くらいが屋外で飛行させる限界であろう。

CocGoldenBee 049s.jpg
Golden Bee .049 R/C
 私は小型エンジンのコレクションをCox社のエンジンで始めたが、押し出し材を機械加工してクランク・ケースを作るようになると、外観からはモデル名を判別しにくくなった。その中ではクランク・ケースと燃料タンクが金色のGolden Bee .049は有名だった。

CoxRCBee 049s.jpg
R/C Bee .049
 燃料タンクが他に無い独特の形状なので容易にモデル名を判別出来る。また、これはクランク・ケースが新しくデザインされた型を使ってダイキャストで作られた、やや新しい(と言っても多分、1978年ごろからの)モデルと思う。それにしても、このエンジン名はR/C時代の産物らしく秀逸!

Cox 049s.jpg
xxxx Bee .049 R/C
 このタンクは、既存の金属製のタンクにプラスチック製の円筒形中継ぎを挿入して、燃料の容量を増やしたものと推量される。燃料タンクの全体が大きく、2色に分離しているモデルは、資料には無かったのでモデル名は分からなかった。

 R/C用エンジンは、飛行時間を長く出来るように燃料タンクを大きくする傾向が、これらのエンジンから推し量れる。

これらのモデル識別に利用した資料の表紙を下に示す。

Cox表紙s.jpg
Cox Model Engine Handbook
 この資料では、写真のほとんどがカラーで印刷されているので、調べやすい。さらに、エンジンを構成している各部品の違いをこまかく分類し、それらの部品の組み合わせでモデル名を細かく分類している。実に頼もしい資料である。

当分は幸せな日々 What happy days I will spend in the future!
 いただいたエンジンを眺めて、頬を緩めている日々である。ⲭ

Holland Hornet .049の"Last Model"とは [私の意見]

"Last Model"の命名は正しかったか? Is the naming of "Last Model" true?
 Holland Hornetエンジンのシリンダーの冷却フィンの一部が厚くなっているのを、ある資料では"Variation"モデルに分類していた。eBayに出品される個体を見る限りは、Holland Hornet .049も.051も"Variation"モデルはIIモデルに限られていたため、生産の終末期に、加工工程を減らしてコストダウンを図ったのではないかと考え、勝手に"Last Model"と命名した。
 ところが最近、この形状のシリンダーが取り付けられたHolland Hornet .049 Iモデル を入手した。

Holland Hornet .049 I w/ "Last Model" 's Cylinder
 下の写真をご覧いただきたい。
Holland Hornet .049 Unique Cylinder周囲カットs.jpg
Holland Hornet .049 I w/ "Last Model" Cylinder

 この写真を見る限り、クランクケースの"049"の下に"II"の浮き彫りが無いから、これは"I"モデルと見なせる。さらに、キャブレターにリストリクターが挿入されていないのは初期のモデルの特徴である。また、ニードルがこの写真で手前側に付いているのが分かるが、出荷時とは逆である。グローヘッドは通常品が装着されているが、ヒーターが切れれば手持ちのグローヘッドに容易に交換できるのだから、これは気にしないことにする。
そして、未使用部品と言う触れ込みで、Holland Hornet .051用"Last Model"のCylinderを入手したことがあったので、もし(まだ見たことは無いが)、 .049用"Last Model"のCylinder/Pistonが部品として供給されていたとしたら、手持ちのHolland Hornet .049に部品を付け替えたことが十分に推測できる。

私の推測(邪推?) Is it my incorrect guess?
 それやこれやで、今回入手したHolland Hornet .049の"Last Model"には、以下の3つのケースが考えられる。

ケース1: Holland Hornet .049 I モデルの初期生産時から"Variation"モデルがあった。
ケース2: 購入したHolland Hornet .049 "I" モデルをメーカーに修理に出したら、"Variation"モデル用のシリンダーに付け替えて戻ってきた。
ケース3: Holland Hornet .049 I モデルに、"Variation"モデル用のシリンダーを入手し、自分で付け替えた。

 手持ちの数少ない資料によれば"Variation"モデルのリリース時期は"M"モデルや"2-speed"モデルよりも後の、1962年や1963年と言うほぼ最終時期になっているので、これから考えれば、ケース1のHolland Hornet .049 I の"Variation"モデルは考えられない。ケース2も「修理に出す」と言う行為を考えるのが難しい上に、ユーザーがニードルヴァルヴの向きを逆に付け直していることを考えると、多分、無いだろう。
 とすれば、これはユーザーによって様々な部品を組み合わせた、俗に言う「フルーツ・ポンチ」モデルの可能性が高い。すなわち、ケース3と考えるのが最も有力だろう。(せめて、Holland Hornet .049 IIのクランクケースにこのシリンダーを取り付けていれば"Variation"モデルとして通用していただろうに、こんなところで馬脚を現してしまったわけだ。)

反省 I abandon tha naming "Last Model". 
 なお、先達が"Variation"モデルと命名しているのに、私が今更らしく"Last Model"などと命名するのはおこがましい話なので、今後は資料通りに"Variation"モデルと呼ぶことにする。

ワイワイやりませんか? Want you discuss on Holland Hornet engines with me?
 こんな特定の(ある意味、マイナーな)模型飛行機エンジンを調べたり、集めたりするような変なコレクターなんて、日本には少ないと思うが、もし、このブログを訪ねてくださって、Holland Hornet .049や.051に興味を持たれた方が居られたら是非、ご連絡いただきたい。どこがそんなに気を引くのか、ワイワイ話し合いたいものである。

またまたお詫び Excuse me again for the increase my collection of Holland Hornet engines
 欲しいものはほぼ揃ったので、これ以上コレクションはしないようなことを言いながら、この1台を加えて17台目になった。自分が持っていない、多少珍しげな個体が眼前に現れると、どんなモノか確認したくなり、いつものムズムズが始まって、ついつい手を出してしまう。これは、コレクターの卑しい心根、とそのたびに反省しているが、コレクターの病気ということでお許し願いたい。

(完)

私のHOLLAND HORNETエンジン・コレクション My HOLLAND HORNET Engine Collection [ご紹介]

I have collected sixteen HOLLAND HORNET engines including all models of HH engines as follows;

HOLLAND HORNET .049 : I(w/ Restrictor, w/o Restrictor), II, Variation, "Modified"
HOLLAND HORNET .051 : I, II, Variation, "Modified", 2-Speed

Both .049/ .051 "Variation" models are very rare, and, can be found in eBay only one or two times in a year.

約束を守らず申し訳ない
 私のHOLLAND HORNETエンジンのコレクションを連休中に撮影すると前に書きながら、なかなかうまく撮れずに、いろいろ工夫をしているうちに連休が終わってしまった。そこで、コレクション全体の写真を試しに撮ったので御覧に入れることにした次第である。

私のコレクションは16台 Totally sixteen HH engines I collected.
 私のHOLLAND HORNETエンジンのコレクションは全部で16台。内訳は、HOLLAND HORNET .049の、モデルIが4台とモデルIIが5台で計9台、HOLLAND HORNET .051の、モデルIが1台とモデルIIが6台の計7台で、合計16台である。
 この中で希少モデルは、HOLLAND HORNET .049 IIのModified Modelが1台、Last Modelが1台、HOLLAND HORNET .051 IIのModified Modelが1台、2-Speed Modelが2台、Last Modelが1台である。

どうして16台も? Why have I collected so much HH engines?
 そうですね、
 考えてみれば、狙いを定めて収集すれば、そして、10台も集めれば、必要なモデルはカバー出来るのだ。ただ、製造が終わって50年も経った品物を集めるのだから全部「中古品」。だから、オークションでは、出品者の説明と限られた写真だけで、自分の欲しいものかどうか、品質がどの程度か、などを想像することになる。普通モデルとして出品されたものが希少モデルであることに気が付いて、比較的安価で入手出来た時は特に嬉しい。また、希少モデルがオークションに出品されることも少ないので、程度が悪いことを承知で落札したら、その後、程度の良いものが出品されると、これも落札することになる。通常品でも、オークションの価格がなかなか上がらないと、そんな安くては品物に失礼、とすでに持っているにもかかわらず落札してしまうこともある。中には、写真のピントが悪く、手に入れたら期待したモデルでは無いこともあった。そんなわけで、ほとんどの場合、それが私の手に乗って、初めて価値を実感することが多い。
 16台も集めた結果、自分が欲しかったモデルがすべて集まった。もしかするとこれがコレクターの醍醐味かもしれない。

コレクションのご説明 Description of my HH engine collection
 連休中に全品を1台ずつ写真に撮ることは出来なかったので、暫定的に、16台をまとめて撮影した写真で説明することにした。

写真説明
HH 4s.jpg
私の小型エンジンのコレクションより-HOLLAND HORNETエンジン

下に配列と同じ順にモデル名を記入する。

.051 II 2-Speed-- .049 II (*1) -- .051 II Last Model-- .049 II Last Model
.051 II 2-Speed-- .049 II    ---- .051 II w/ Tank ---- .049 II w/ Tank
.051 II Modified-- .049 I w/ Tank- .051 II ------------- .049 I w/ Tank(*2)
.049 II Modified-- .049 I w/o Tank(*3)- .051 I w/ Tank --- .049 I (*2)

(*1) Spray BarがOEM製で、左右が逆に取り付けられている。(*2) Restrictorが付いていないごく初期のモデル。(*3) Glo-headがOEM部品。


 上のモデル名は、なかなかきれいに並ばないが、順番は違っていないので、判読をお願いしたい。

 Last Modelは、シリンダーの上下の冷却フィンが厚いことと、グローヘッドの上部端子が長いことで判別出来る。2-Speed Modelはニードルが2本付いているからすぐ分かる。Modified Modelはキャブレター付け根の"M"の刻印だけで判別するので、この写真では分からない。

 これだけ集まってようやく、私はHOLLAND HORNETエンジンをこれ以上欲しいと思わなくなった。コレクターの性(さが)とでも言うべきか、ようやく本当に心安らかになった。
 あとは、撮影方法を工夫して、1台ずつ写真を撮ることに専念するつもりである。

 遅くなってすみませんでした。

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